11月16日(土)に秋田市で、短編映画制作プロジェクト「ミラーライアーフィルムズ」が秋田市未来創造人材育成・プロモーション事業実行委員会が共催で「MIRRORLIAR FILMS AKITA文化祭」を開催しました。
秋田市で撮影された、小栗旬監督・浅野忠信監督作品を含む『MIRRORLIAR FILMS Season6』を全国公開に先駆けて上映したほか、秋田市の学生が制作した地域特別制作作品『ボクと鹿』を上映。“ロケ飯”が楽しめる飲食ブースや、衣装・美術展示、秋田市の学生が企画した映画オリジナルグッズの販売など、MLFプロジェクトを支えてきた地域の皆様や若者たちが活躍する場を作り、秋田市の食や文化の魅力を紹介しました。 
トークショーでは、プロジェクトの阿部進之介、山田孝之プロデューサーや、『1/96』の監督を務めた小栗旬監督、『男と鳥』の監督を務めた浅野忠信監督をはじめ、豪華クリエイターが登壇されました!


【第1公演】ALVEきらめき広場ウェルカムセレモニー

登壇:阿部進之介(出演・プロデューサー)、山田孝之(プロデューサー)、伊藤主税(出演・プロデューサー)、快歩(特殊メイク)、相場詩織(司会)ほか
今回、「ミラーライアーフィルムズ シーズン5-6」がなぜ秋田市で撮影されたのか問われた山田プロデューサーは「阿部進之介さんが主演・原案を務めた「デイアンドナイト」を例にあげ、秋田とぼくたちがどちらともなく惹かれ合っていると話し、阿部プロデューサーは「秋田駅に降りると「ありがとう」という気持ちになる」と話し、観客の笑いを誘った。そして伊藤プロデューサーからは「秋田市での取り組みをモデルケースにシーズン7に東海市での撮影が既に決まっていますがシーズン8は岡山県での撮影が決定いたしました!」と新発表がありました。
続けて「秋田のみなさんとの取り組みが東海市へつながり、そして岡山へと続いています。岡山では、地域連携事業として岡山県全域で撮影を行い様々な市町村が協力する取り組みとなる予定です。秋田市だからこそ出来ること、一歩踏み出しチャレンジする事の大切さを、寄附企業、行政、学生、映画制作チーム全員で思いを1つにして伝えた。

岡山では、地域連携事業として岡山県全域で撮影を行い様々な市町村が協力する取り組みとなる予定です。シーズン5,6では秋田市の学生たちが積極的に参加し、最初は「勇気がなかった、映画のつくりかたが分からない」と話していた学生たちが3月と11月のイベントでは学生が中心となって運営をしてくれました。そういったケースを基に、岡山県では岡山フィルムプロジェクトを立ち上げ、実行委員会を組成、中核の学生達が「起業」出来る事を目標に、リーダーシップ向上に役立つ取り組みも予定しています。

これからもミラーライアーフィルムズは誇りをもって映画の制作、クリエイターの育成を進めていきます。今後とも応援よろしくお願いします」と締めくくり、会場からは大きな拍手と歓声があがった。秋田市だからこそ出来ること、一歩踏み出しチャレンジする事の大切さを、寄附企業、行政、学生、映画制作チーム全員で思いを1つにして伝えた。


【第2公演】AL☆VEシアター「MIRRORLIAR FILMS Season6」上映後トークショー

登壇:阿部進之介(出演・プロデューサー)、山田孝之(プロデューサー)、小栗旬(監督)、浅野忠信(監督)、快歩(特殊メイク)、相場詩織(司会)
今回、「ミラーライアーフィルムズ シーズン6」に参加した浅野忠信(「男と鳥」監督)は参加の経緯が「SHOGUN 将軍」で共演した阿部進之介プロデューサーからの誘いだったことを明かし、
監督作「男と鳥」に登場する独創的なキャラクター(ゾンビ侍)が生まれた経緯に話が及ぶと「「SHOGUN 将軍」の撮影をしているときに、阿部くんと「もし続編があったら死んでしまったキャラクターはどうなるんだろうね?みたいな話をしてたときに〝ゾンビ侍″で出てきたらいいんじゃないかって話になって…」
「次の日浅野さんがSNSで手描きのゾンビ侍のイラストをあげていて(笑)。それで今回作品作るってなった時に、”ゾンビ侍”にしようみたいになって…(笑)。」と本作主人公のキャラクターの意外な誕生秘話を明かした。
さらに、出演もする阿部の演じた″鳥男″の生まれたきっかけに関しては「コマ撮りで楽しいのは、やっぱり飛んでる映像なんですよね。これは鳥だと思って、阿部くんにテストで飛んでもらったらすごいうまくて…(笑)。」と語ると阿部は「浅野さんの自宅で何度も飛びましたよね」と語り、コマ撮りで制作された作品ならではの面白さを語った。

さらに、小栗旬監督は参加のきっかけを山田孝之プロデューサーからの声がけだったことを明かすと
山田プロデューサーは「『シュアリー・サムデイ』を監督して以来で、次いつ監督するんだろう?という気持ちがあったので」とオファーの経緯を語った。作品の内容に話が及ぶと、「元々全然違うものをやろうと思っていたんですけど、打ち合わせを重ねている間に脚本の三枝くんと僕が″父親あるある″みたいのを話していたらそれを聞いた下京プロデューサーから「その話を映画にしたら面白いのでは?という話になって、父親の現実逃避したいみたいな話に進んでいきました」と明かした。
主演の藤森慎吾の撮影エピソードに関しては「初日のファーストカットの撮影のときは、「ぼく、ただ歩くってしたことないかもです」と藤森くん手と足が一緒に動いちゃうぐらいの感じのガチガチさだったので、それはすごく面白かったです…(笑)。でもそのあとはすぐに感覚を掴んでくれて本当に素晴らしい演技でした」と楽し気に語った。


【第3公演】ALVEきらめき広場スペシャルトークショー

登壇:阿部進之介(出演・プロデューサー)、山田孝之(プロデューサー)、小栗旬(監督)、浅野忠信(監督)、快歩(特殊メイク)、相場詩織(司会)ほか

作品の制作意図を問われると浅野監督は「秋田市で撮影することは決まっていて、自分は昔からナマハゲ(※注釈)に興味があったので、秋田の方がみたら何か気付くことがあるかなと思いながら楽しく撮影することができました。また阿部さんのジャンプがとても良かったので鳥役でオファーしました」と答え、それに対しプロデューサーでもある阿部は「コマドリで撮ることが決まったあとは、浅野さんの自宅でテストとして何度もジャンプしました。僕は飛ぶプロではないですけど、3万回くらい飛びます」と二つ返事で鳥役を引き受けました。
銀世界に映える衣装が独創的ですがキャラクター造形に関して問われると快歩は「鳥がとあるものを届ける話なので青い鳥にしました」と明かし、また「気付くとみんな転がっていたり撮影始まっている即興的な現場だったのでとても面白かったです。」と話した。
※注釈:実際に映画では「ナマハゲ」ではなく、秋田市の「ヤマハゲ」をモチーフとしている。

小栗監督は「夜の車の撮影がこんなに大変だとは思わなかったと明かし、主演藤森の怒りをぶちまけるシーンでは彼がぎっくり腰になってしまったと話した。
阿部、山田両プロデューサーはそれぞれの作品が出来上がったときの感想を問われ、浅野監督の作品は「個性がすごい」と絶賛、また小栗監督作品には「小栗さんの父である思いが乗っかっていて、世の父親の気持ちを代弁してくれてありがたかったです。」と話した。また小栗組の脚本を読んだ山田は「小栗旬も家ではこうなんだと世の中の男性は勇気づけられるな」と語り、父親目線で作品に共感したことを明かした。

また今後の監督業に関して問われると浅野監督は「まだやりきれていないのでシーズン7,8とまた監督をして・・」と話し、会場の笑いを誘った。阿部は驚き「あとでちょっと話しましょうか」と今後の展望を期待する歓声があがった。また続けて浅野監督の作品に関して「パッションがあり、整いすぎない作家性を前に、プロデューサーとして形にしなきゃというせめぎ合いに悩まされたと語り、山田から「鳥の状態で悩んでいたんだよね」とつっこまれる場面もあった。
また小栗監督は「みんなに助けてもらいながら撮影できましたし、作品的に世の母親、女性たちを怒らせないところを探るのが重要でした。脚本家の三枝くんとお互いに脚本ができた段階で妻に読んでもらいました。」と語り、作品の制作裏話を明かした。


【第4公演】AL☆VEシアター
「MIRRORLIAR FILMS Season6」上映後トークショー

登壇:阿部進之介(出演・プロデューサー)、山田孝之(プロデューサー)、
岡本多緒(監督)、鬼木幸治(監督)、伊礼姫奈(出演)、増田彩来監督(監督)、相場詩織(司会)

公募作品から選ばれた監督たちと並んでイベントに登壇した、山田孝之プロデューサーは改めて「ミラーライアーフィルムズ」プロジェクトの立上げに関して聞かれると、「映画に限らずですが、何かに挑戦してほしいという気持ちがあって一歩踏み出すというときには勇気がいるし不安もあるけど、まずはやってみるということの大事さを伝えたいというのが根幹にあります。それを映画で僕たちはやっています。」と語り、同じく登壇した阿部進之介プロデューサーは、公募作品の選定について、「応募いただいた作品を1本1本すべて観たうえで面白かった作品をシンプルに選んでいますが、みんなの心に残った作品が選出されていると思います。」と選定作品に関して語った。

本イベントには、公募作品から「サン・アンド・ムーン」の岡本多緒監督、「FAAAWWW!!!」の鬼木幸治監督、「カフネの祈り」の増田彩来監督の3名が登壇し、「カフネの祈り」を監督した増田監督は、「この作品は私が初めて監督した作品ですが、自分が生きていく上で大切にしていきたいことや忘れたくないこと。そういうものを詰め込んだ、この先の道標になっていくような作品だと思っています。作品を観てくださった方にも、そういう光になれたら嬉しいなと思い、願いながら、祈りながら、作った作品です。」
「FAAAWWW!!!」を監督した鬼木監督は、「この作品は腕組みしてじっと観るような作品ではないので力を抜いて楽しんでいただけたなら嬉しいです。僕は短編作品をたくさん作っているのでいつも通りに作った作品ではありますが、評価してもらえてこういった機会がいただけて嬉しいです。」、「サン・アンド・ムーン」を監督した岡本監督は、「私は俳優としてアメリカをベースに十年ぐらい活動していたんですけど、日本に帰って日本でお芝居をちゃんとやれるようになりたいなと思って、この作品は、そもそも最初は自分の宣伝素材として撮った作品なんでです。なので、シチュエーションもワンシチュエーションで、映像もすごくシンプルに撮ったので、ほかの作品と並べていただくとアマチュア感が出るんじゃないかと不安もありますが、いろんなことを考えずにそのままストレートに出した感じです。」と、それぞれの監督作について思いを語った。

最後に「カフネの祈り」に主演した伊礼姫奈が、「私自身、「ミラーライアーフィルムズ シーズン6」の雰囲気の違う5つの作品を観てちゃんと全部楽しめて、ちゃんと全部記憶に残る、心がワクワクして、こういう映画の形素敵だなと思っています今日はすごく楽しかったです。」と舞台挨拶を締めくくった。