秋田市で、3月16日、17日の2日間、MIRRORLIAR FILMS AKITAの集大成となるイベント「MIRRORLIAR FILMS AKITA上映祭」が行われ、地元の学生たちや豪華クリエイターが集結しました!
上映祭のテーマは「BOUNDLESS(バウンドレス)」。この場所ではクリエイションができない、挑戦ができないと言う意識の縛りから解き放ち、この先秋田に広がる可能性にワクワクして走り出していってほしいという思いが込められました。
地域特別制作作品『参画屋の仔羊たち』を上映したほか、5月31日劇場公開となるオムニバス映画「MIRRORLIAR FILMS Season5」より、秋田市で撮影された『たてこもり』『変哲の竜』や、MIRRORLIAR FILMS特別制作作品『MIMI』、公募作品をプレミア上映。秋公開予定となるSeason6に収録される、小栗旬監督作品のティザー映像がお披露目されました!また、監督、出演者、プロデューサーによるトークセッション、秋田市から東海市へ撮影地引き継ぎ式、慶應SFC学生による特別ワークショップを行いました。
MIRRORLIAR FILMSは、クリエイターの発掘・育成を目的に、映画製作のきっかけや魅力を届けるために生まれた短編映画制作プロジェクト。プロデューサーは俳優の阿部進之介、山田孝之、伊藤主税(株式会社and pictures)ら。過去に開催されたSeason1~4では、俳優、映画監督、漫画家、ミュージシャンなど、総勢36名が監督した短編映画を世に送り出してきました。
新たにSeason5より、地方創生に寄与するべく「企業版ふるさと納税」を活用すると試みを取り入れました。Season5の開催地である秋田市とともに、未来創造人材の育成を目指し、撮影や運営に関わる実行委員に数多くの学生を登用しています。
MIRRORLIAR FILMS公式サイト https://films.mirrorliar.com/
秋田市とMIRRORLIAR FILMSは、2023年夏から秋田の地で映像制作を通じて学生や若いクリエイターの挑戦を応援してきました。短編映画『たてこもり』(竹中直人監督、スクールゾーンの俵山峻さん、橋本稜さん主演)と、『変哲の竜』(漫画家の大橋裕之監督、又吉直樹さん主演)の2作品を、秋田市内で撮影。また、秋田市内の大学に通う学生に向けたワークショップを開催し、学生らは一流クリエイターとともに秋田市内のロケハンから台本作成・演出・撮影を行ない、地域特別制作作品『参画屋の仔羊たち』を制作しました。
未来創造人材育成・映像プロモーション事業(ミラーライアーフィルムズ シーズン5&6)について https://www.city.akita.lg.jp/iju-teiju/1021674/1039762.html
●企業版ふるさと納税とは・・・自治体が立ち上げたプロジェクトに対し、企業側が寄付を行う制度。寄付金額の最大9割まで税金が控除されるだけでなく、CSR活動として自社のPRに活用することもできるため、地域と永続的な関係を築くきっかけになると期待されています。
<来賓挨拶>
■穂積 志(秋田市長)
昨年の洪水被害を乗り越え、上映祭が開催できたことを嬉しく思います。竹中監督、大橋監督、小栗監督、浅野監督といった最前線で活躍する監督のもとで、秋田で暮らす若者が実際にお手伝いをしながら映画製作に携わり、「秋田にいながらでも自分たちの夢を実現できるんだ」と実感する機会を提供できたことに御礼申し上げます。
このプロジェクトは、企業版ふるさと納税制度を活用し、展開してきました。ご賛同いただいた吉野石膏株式会社様、株式会社プレステージコアソリューション様、株式会社NTTドコモ様、株式会社プライムアシスタンス様に御礼申し上げます。
秋田市 公式サイト https://www.city.akita.lg.jp/
<寄付企業>
■須藤 潮(吉野石膏株式会社副社長)
吉野石膏では石膏ボード、タイガーボードといった建材を軸に社会に貢献するとともに、絵画を中心に若い作家さんを支援しています。このたび、伊藤プロデューサーと出会い「監督にチャレンジする機会に恵まれない才能あふれる若者がたくさんいる、彼らの才能を開花させたい」と伺い、大変共感を覚えました。
若い人のクリエイティビティーを高めることが社会全体の創造性を高め、前に進む力が芽生えます。文化の拡大に貢献できることを大変嬉しく思います。
吉野石膏株式会社 公式サイト https://yoshino-gypsum.com/
■鈴木 慎太郎(株式会社プレステージ・コアソリューション 秋田BPOメインキャンパス拠点長)
株式会社プレステージ・コアソリューションは、秋田市新屋でコンタクトセンターを運営する企業です。若い方や女性を中心に1400名の方が活躍されています。
女子プロバスケットチーム「Aranmare(アランマーレ)」の運営も行っています。チームの皆さんより、動画コメントを頂戴しました。
株式会社プレステージ・コアソリューション 公式サイト https://www.prestigein.com/
■尾上 健二(株式会社NTTドコモ東北支社長)
「〜〜だから」、と言う言葉を何かできないことに対して使っているのを聞くことがあります。しかし、一歩踏み出すことが大事。どうやって地域を活性化させるか、どうやってその地域の学生の可能性を引き出すかと考えています。
Season6の上映はこれからですが、寄付したことに対して非常によかったと思っています。
NTTドコモでは「Lemino ®︎」という映像配信サービスを作り、4月5日からSeason1〜4のアーカイブ配信も行いますので是非観ていただければと思います。
株式会社NTTドコモ 公式サイト https://www.docomo.ne.jp/
■佐藤 友也(株式会社プライムアシスタンス秋田センター部長)
弊社の本社は東京ですが、秋田市に2拠点、350名ほどの体制で運営をしています。現在、秋田の将来を考えると明るい未来がなかなか描きにくい状態ですが、この問題とどう向き合うかを日々、考えています。
本プロジェクトの趣旨を「若手のクリエイターを生み出す」「人の流れを生み出していく」と聞いていますが、たくさん秋田の魅力を宣伝し、人の流れを作っていただいています。私たちは企業努力を続け、安定した雇用を長く生み出せるように努力していかねばと思っています。
株式会社プライムアシスタンス 公式サイトhttps://prime-as.co.jp/
<実行委員会メンバー>
■深澤 功(実行委員長)
秋田市の学生と制作者が一体になり、このイベントを発信してきました。最初は興味半分だった学生が、妥協なく臨む俳優との出会いで変わっていき、最後には一つの素敵な作品を作ることができました。
企業版ふるさと納税の仕組みを使った本プロジェクトでは、収益の一部が秋田市に還元されます。秋田市のため、若手の育成のために、これからもますますこうした活動を広げていきたいです。
■栗原エミル(株式会社アウトクロップ、実行委員長)、松本トラヴィス(株式会社アウトクロップ)
※アウトクロップのお2人は、映画祭のコンセプトディレクション、メイキング・ドキュメンタリー制作も担当。
4年前に映像制作の会社を秋田で始めたとき、周囲からは「東京の方が良いのでは?」と言われたりもしました。
今回、半年間のワークショップで、はじめは遠巻きに見ていた学生の目つきや態度が変わっていったのを間近で見て確信したのは、クリエイトを地方で行うことは、制限ではなく「武器になる」ということです。この上映会を皮切りに、若手のみなさんがクリエイトできる空間を秋田の地で盛り上げて行きたいです。
アウトクロップ公式サイト https://outcropstudios.com/
<登壇者コメント>
■伊藤 主税(MIRRORLIAR FILMSプロデューサー、株式会社and pictures 代表取締役)
このプロジェクトでは、映画を活用した自己表現をとても大事にしています。学生たちが何もないところから自分たちで作り、その過程を本日お目見えできますことを大変嬉しく思います。
みんな最初は何者でもないけれど「何かにチャレンジすることで何者かになる」。そういったことを大切に伝えていきたいと思います。
■阿部 進之介(MIRRORLIAR FILMSプロデューサー、俳優)
今日見ていただく「Season5」の中には秋田市で撮った作品2本と、蒲郡市で撮影された1本、一般公募で選ばれた3本の、6作品が入っています。その一般公募を発表させて頂きたいと思います。ピウス・マチュルスキス監督『NAIKU』、巖川虎太郎監督『さようなら、あおいの赤いメガネンティティ』、十川雅司監督『駆け抜けたら、海。』 の3本になります。たくさん素晴らしい作品を送って頂きまして、その中から見事選ばれた3作品になります。皆さん楽しんでいってください。
■山田 孝之(MIRRORLIAR FILMSプロデューサー、俳優)
MIRRORLIAR FILMSでは、2021年〜22年公開のSeason1〜4では、36本の短編映画を劇場公開、ワークショップ作品を含めるとおよそ50本の短編映画を発表してまいりました。公募作品の中には、はじめて監督をした方が多くいらっしゃいます。興味を持った人からどんどん参加してくれるといいと思っています。何か新しいことをはじめると、新しい仲間が増えていきます。
<スペシャルゲスト コメント>
◎たてこもり
■竹内 直人(監督、俳優)
去年の夏は大変な災害でロケ地のレストラン「道化の館」に川の水が溢れてしまいました。撮影できないかと思っていましたが、できて嬉しいです。何人もの監督が同じ場所(秋田市)で撮ったのも面白かったです。すごく素敵な場所で、場所と役者がコラボしているようでした。秋田で撮ったことで、秋田という地が特別な場所になりました。また秋田で映画を撮りたいと願っています。
■俵山峻・橋本稜(スクールゾーン)
僕たちが竹中さんの作品に出演して、この上映イベントで一緒に作品を観ていると思ったら、夢みたいです。涙が出てしまいそうな気持ちがします。
◎変哲の竜
■大橋 裕之(監督、漫画家)
ロケ地は全て秋田で、理想以上の場所を見つけていただきました。秋田の子役の演技も完璧で、思い描いていた以上の作品に仕上がりました。
■又吉 直樹(作家・俳優)
大橋さんの漫画は過剰に人間の表情を描いているわけではないはずなのに、なぜか登場人物の心の動きが強く伝わり、面白くて笑えます。ですが、その笑いの中には人間の営みの物悲しさや、愚かさも含まれています。
そんな些細な感覚だったり、説明的ではないのに、奥行きのあるセリフや、つい共感してしまう状況や、妙に心当たりのある人間関係などが一体となり、一つの物語として立ち上がってくる力に惹かれています。
そのような個性は映画とも親和性が高いのではないかと思っていました。今回も、そのような作品になっていると思います。新たな挑戦として自由に創作できるプロジェクトに参加できて光栄です。
◎MIMI
■榊原 有佑 (監督)
横浜流星さんを主演に迎え、NeRF(ナーフ)という最先端技術を用いた新しい映像技術を使っています。
「ここにハマったらよくなる」ということを松山氏と打ち合わせし、なおかつ、あらすじを読んだ横浜さんの要望を踏まえて作品にしました。15分の中にお芝居の変化、ストーリーの伏線など、ぎゅっと凝縮しているので、ぜひ集中して見てもらいたいです。
■松山 周平(ヴィジュアルアーティスト)
AIを使った画像生成技術NeRF。この技術を映画で使ったのはおそらく世界初です。空間を丸ごと撮影しておくと、あとからカメラワークをつけることができる技術で、実写とCGの間の、どちらでもないような面白い画になっています。
緻密に準備して撮影に臨みますが、現場には「神が降りてくる瞬間」がある。現場で出来事が起きていて、その出来事を収めているのだなと思いました。映画の新しい観点を手に入れた気がします。
◎参画屋の仔羊たち
■真宮葉月(主演)
『参画屋の仔羊たち』はテーマがすごく大きくて、社会人になって10年が経った今も「個性ってなんだろう?」と研究し続けています。個性とは、さまざまな経験を積んでいく中で掴むもの。自分だけではわからないものなのかもしれません。学生の皆さんは、自分のやりたいことがなんでもできる。秋田だからできることがあります。
■参加した学生たち
プロジェクトに参加したのべ30人の学生からは、以下のような感想が寄せられた。
「大勢の人が関わって映画が作られていることを知った」
「将来映画に関わる仕事がしたいと強く思うようになった」
「役者の髪型や陽の光など、細部にこだわるからこそ素敵な作品ができるのだと思った」
「夢を人に言うのは恥ずかしいと思っていたが、プロジェクトの皆が親身になってアドバイスしてくれ、夢を語るって良いことなんだと気づいた」
<撮影地引継式>
上映祭の2日目(3月17日)には、Season5、6の撮影地である秋田市長から、Season7の撮影地、愛知県東海市の市長へ向けた「撮影引継式」が行われ、書状と記念品が贈られました。秋田市に続き東海市は、MIRRORLIAR FILMSプロジェクトに参入し、今年から映画の撮影に入っていく予定です。
東海市 花田勝重 市長は、「東海市として初めての取り組みになるので、秋田市さんの取り組みを参考にしながら若い人と街とのつながりを持ち、しっかりバトンを受け継いで、繋がりを深め、次へ繋いでいきたい」と述べました。
東海市 公式サイト https://www.city.tokai.aichi.jp/
なお、オムニバス映画「MIRRORLIAR FILMS Season5」は5月31日劇場公開、そのほか 4月5日より開設される映像配信サービス「Lemino®」内の『MIRRORLIAR FILMS』チャンネルや、JOYSOUNDの対象機種を導入する全国のカラオケルームで利用できるサービス「みるハコ」にて順次配信予定です。